第4次安倍改造内閣の発足について

2018年10月2日

 このたび第4次安倍改造内閣が発足したが、足元では、緩やかな回復が続く日本経済も、我が国を取り巻く内外の社会経済情勢は厳しく、諸課題は山積しており、新内閣の果断で慎重な取り組みを期待したい。

 まず、昨今頻発する自然災害に備え、防災・減災対策の強化が喫緊の課題として浮上している。
 また、世界全体を覆う反グローバリズムの動きは、大きな懸念材料である。米中両国の貿易戦争は収拾の見通しが立たず、何よりも日米間について、今後の関税協議の如何によっては我が国及び当地の主力の自動車など各産業への甚大な影響が懸念される。全力で対応をお願いしたい。
 さらに、国内では人口減少や超高齢化の中で、国の財政や社会保障制度の持続性への国民の不安が極めて大きい。新内閣は、来年秋の消費税率引上げを確実に行うとともに、社会保障制度改革の断行や財政健全化といった重要な構造的課題に不退転の決意で臨み、将来不安の解消に努める必要がある。

 AIやIoT等デジタル革命の急速な進展により、各産業は大きな構造変化の只中にあり、新たな成長戦略の策定・実行が急務である。
 また、消費税の円滑な価格転嫁を確実に出来るような環境整備をはじめ、IT化や事業承継に係る支援など、中小企業向けの施策にも万全を期してもらいたい。

名古屋商工会議所
会頭  山本 亜土


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