愛知県を対象とする「緊急事態宣言」の解除について

2021年2月26日

 2度目の緊急事態宣言が予定より早く解除が出来たことは喜ばしい。コロナ感染が始まって凡そ1年の長きに亘っているが、感染者数の推移のグラフを見ると、4月頃、7~8月頃、11月~年始の頃と高い山が3つあり、後半になるほど山がどんどん高くなっている。いずれも行事が多い時期と、人の心が緩む時期にピタリと重なっている。そして感染が長引くに従って、ウイルスとの「慣れ」が生れ、気持ちが緩んで感染拡大し、今日に至ったことは明らかだ。

 この間、我々国民にも大きく行動の制限が掛かり、誠に不自由な日常生活を強いられてきたし、経済活動も同様に大きく落ち込み、個人事業者から大企業まで業績を大きく落とすことになった。
 幸運にも、製造業はいち早く回復基調に乗った企業も増えてきたが、非製造業にあっては、まだまだ苦境に喘いでいるところが多い。

 感染が収まって来たこの時期に、日本でもやっと医療従事者にワクチン接種が開始されるというタイミングを迎えた。この後は高齢者を経て一般国民に接種という順序の様であるが、EUの輸出許可という高い障壁があり、政府の思惑通りに運ぶかは些か心もとない。

 決め手のワクチン接種が着実に進むまでは、解除による気の緩みから、感染が「再拡大」し緊急事態宣言が又も発令されることは絶対に避けなければならない。
 そんなことになれば、経済活動が再び大きく毀損し、社会全体が想像以上に疲弊し、国の支援金等の支出も大幅に増大の必要に迫られ、国の財政は益々厳しさを増すことになりかねない。これらは全て、将来ブーメランのように国民にツケとして回ってくることが必至である。

 春のウキウキした季節を前に、そうしたことにならないように、我々国民一人ひとりが「ノーモア リバウンド」を強く意識して暮らすことが、是が非でも求められる。

 政府には、それに応えて、速やかに正確な情報開示と国民への親切丁寧な啓発活動に努め、各自治体が一日も早く、ワクチン接種をスムーズに実行できるよう全力を尽くして貰いたい。


名古屋商工会議所
会頭 山本 亜土


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