令和4年度「政府予算案」の決定について

2021年12月24日

 令和4年度の政府予算案は、先に決定した令和3年度補正予算と合わせた16か月予算としてまとめられた。新型コロナ対策の拡充や中小企業の生産性向上・事業再構築に加え、科学技術やイノベーションへの投資、グリーン成長戦略などが幅広く盛り込まれており、経済正常化とコロナ後の新しい社会を見据えた予算であることは評価できる。
 特に、産業のデジタル変革やデジタル人材の育成、サイバーセキュリティ対策などにより、コロナ禍で進み始めたデジタル化の動きが加速することを期待している。

 一方で、コロナ禍における危機対応の財政出動は致し方ないが、4年連続で100兆円を超え、10年連続で過去最大を更新する予算案となっており、「国債頼み」が常態化している。例年、明記されてきた「聖域なき歳出改革」の文字が消え、政府債務残高はG7で最悪の水準となっている。

 野放図な歳出が続けば、若い世代へのツケ回しが膨らむ。政府には、厳しい現実をしっかりと直視し、財政健全化に向けた議論を先送りすることなく、早期にその道筋を示してもらいたい。


名古屋商工会議所
会頭 山本 亜土


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