2023年6月16日
今回の方針は、コロナ禍を脱し、賃上げ拡大に向けた環境整備を図る中で、岸田首相が掲げる「新しい資本主義」をさらに加速させ、我が国経済を力強い成長軌道に乗せるべく、経済社会改革の実行に取り組む姿勢が表れたものと受け止めている。
厳しい経営環境にある中小企業に対しては、デジタル化を始めとする生産性の向上や事業再構築、事業承継などの支援が明記され、物価高への迅速かつ機動的な対応と価格転嫁についての支援体制整備などが盛り込まれたことは大変心強い。また、DXやGX、スタートアップ支援など社会課題に関する分野においても官民が協調し、多年度にわたり推進していただきたい。
構造的な賃上げを目指し、賃金と物価上昇による好循環へ繋げるためにも、価格転嫁については、原材料・エネルギーコストだけでなく、労務費についても転嫁を進めていけるよう、きめ細やかな環境整備に期待したい。
財政再建については、これまでの新型コロナ対策や防衛、少子化対策なども重なって大変厳しい状況にある。中長期的な視点から経済成長と財政健全化に向けた議論を先送りすることなく、国民全体の不安解消に努めていただきたい。
名古屋商工会議所
会頭 嶋尾 正