須田寬氏の訃報に接して

2024年12月24日

 突然の訃報に寂しさを禁じえません。

 須田寬さんは、国鉄分割民営化後のJR東海初代社長として、日本の鉄道事業と国土の発展に多大な貢献を果たされました。

 観光関係団体のご要職を長らく歴任され、観光産業の振興に対する強い意志と精力的な活動は、観光立国を目指す日本にとって、かけがえのない存在であり、その功績は計り知れません。

 特に名古屋商工会議所では、文化・観光委員会委員長を1997年から2017年まで長年にわたりお務めいただいたほか、交通運輸部会長などをご歴任いただきました。

 とりわけ、文化・観光委員会において、歴史・文化的価値のある産業文化財や生産現場、製品などを観光資源として捉える「産業観光」を全国に先駆けて提唱し、他地域にも広がったほか、モノづくり産業の盛んな当地域の観光産業の進むべき方向性を示していただくなど、大変造詣が深く、指導力に優れた方でした。

 「産業観光」という言葉が広辞苑に掲載されることを一つの目標としてご尽力されていたと伺っておりました。

 心からご冥福をお祈り申し上げます。


 

名古屋商工会議所
会頭 嶋尾 正


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